PasCom®の特徴
摺動性や適度な剛性などの機能性
を持つバイオマスコンパウンド。
バイオマスポリアミドをベースとした、軽量かつ摺動性や適度な剛性などの機能性を持つバイオマスコンパウンドです。2022年からサンプル提供を始めたPasCom®は雑貨から工業・産業用途まで幅広く検討されています。
特性
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帯電防止性・静電気拡散性
JIS K 6911準拠の試験では印加電圧0.1Vで5.4×1010Ωであり、帯電防止性を有しています。
S40を使用して作製した櫛であるPASCOMB®をテスターで測定(電極間距離40mm)すると印加電圧1000Vで106Ω、印加電圧50Vでも 108Ω程度であり、良好な静電気拡散性を有しています。 -
耐摩耗性
同材同士の比摩耗量は標準的なポリアセタールの10分の1以下であり、耐摩耗性に優れています。
摺動速度10cm/sec.接触圧0.63MPa摺動距離50mm摺動回数150000回(7.5km) -
高リサイクル性
スプル、ランナーなどを粉砕し再生材として、再利用した場合でも機械物性の低下がないため材料を無駄なく使用できます。
※ 流動性については若干向上する可能性があります -
その他特性
耐衝撃性(シャルピー衝撃強度(ノッチ付き):13kJ/m2)、耐屈曲性
事例
特性
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無潤滑摺動性(低摩擦係数、耐摩耗性)
S40の高いバイオマス度はそのままに、ポリアセタール高摺動品並みの低い摩擦係数を
実現しました。摺動特性を向上したことで、ポリアセタール非強化品やS40では耐えることのできない圧力・速度(PV)領域での使用が可能になります。評価法:スラスト式摩耗試験
リングS45C接触圧0.98MPa速 度50cm/sec.走行距離3km(走行時間100分)ポリアセタール高摺動品と比較して、比摩耗量を大幅に改善。
(同材同士:約30% 対炭素鋼(S45C):約38%)摺動部材の耐久性向上をバイオマス樹脂で実現することが可能です。ピンオンプレート摩耗試験(上下同材)
スラスト式摩耗試験
特性
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軽量化
繊維強化樹脂の中ではかなり軽量であり様々な構造部材の軽量化に寄与します。
低い吸水率
ポリアミドの中では低吸水であり寸法や剛性等で湿度、水分の影響を受けづらい材料です。
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実用時の剛性・強度
吸水率が低いため、剛性・強度の経時的な変化を抑えられます。
吸水平衡時の曲げ弾性率は他の強化ポリアミドよりも有意に高く曲げ強度もPA66-CF30、GF45相当であり吸水後も高い剛性・強度を維持します。曲げ弾性率
曲げ強度
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再生使用時の物性変化
スプル、ランナーなどを粉砕し、再生材として再利用する場合再生材比率30%以下であれば、元の材料からの機械物性の低下は95%以内に抑えらえます。
100%再生材使用
30%再生材使用
その他自動車・自転車部品・電気電子部品、スポーツ・レジャー用品など